丸太の皮を剥く / B邸

B邸 , 建築

秋に山で切り倒された木々は、冬の間葉を付けたまま乾燥させておきます。(葉枯らし)檜や松は丸太のまま半年ほど乾燥させておくと,皮をむいて丸太として使えるようになりますが、杉は半年くらいでは乾かないので,丸太としては使わず,製材して乾かすことにしました。
葉枯らしをして皮を剥く時になり,山の近くの製材所ではできないことがわかりました。
丸太の需要がないので、皮を剥く設備はあるのに,長い間使われないままになっており,それを使える技術者もいないとのことでした。
結局丸太が専門の吉野の徳田銘木にお願いして、剥いてもらうことになりました。
技術が未熟な所に任せると丸太が傷だらけになることがわかっていましたので,少し遠くても,熟練した技術者がいるところの方が良いと判断したからです。
昔は丸太や両側を削いだタイコ丸太などを梁に用いて家が作られ、吹き抜けのある土間ではダイナミックな架構を見ることができ、子供達にとって、樹木は身近な存在でした。
地元の材料を使って家を作った時代には、たくさん使われた丸太も、現代住宅ではほとんど見ることがなくなりました。
子供達の感受性を養い、森林を循環させて行くためにも、人の中に眠る感性に訴えかける丸太を使った建物をこれからも作っていきたいと思っています。