京から紙 / C施設

C施設 , 建築

宇治市で建築中のお寺の襖紙の選定について、設計当初案を再検討することになり、
修学院にある「唐長」さんの修学院工房を訪ねることになりました。うっそうとツタに覆われた工房の外観は京都の老舗にふさわしい風格のある佇まいでした。暖簾をくぐって入った室内は京から紙の展示を兼ねたタイムスリップしたようなデザインになっていて、その「から紙」のすばらしさに息をのんでしまいました。現代のデザインに良い物もありますが、400年の伝統を持つ美しさには圧倒されるものがあります。古いものがかえってモダンですので、現代建築である鉄骨造のお寺の座敷にちょうど良いと思いました。一般的な襖紙を京から紙に変更すると引手も選び直すことになります。見本を拝見した室金物の引手もすばらしく、襖紙にぴったりのデザインが見つかりました。ずっしりとした存在感があり、きっと職人さんが、一つずつ精魂込めて作って下さったに違いありません。見かけがそっくりな物が他にあったとしても、工業生産品と人の手間がかかっているものとでは、やはり、格段の差があります。人の心を打つかどうかは、その辺りの違いにあるのではないかと思っています

㈱唐長 http://www.karacho.co.jp/

室金物㈱ http://www.murokanamono.co.jp/